「『総合的な探究の時間』~日進市の魅力と課題を考える~」の成果発表を開催

3学期は1年の学習を総括する上で、大事なまとめの時期です。本校2年生は「総合的な探究の時間」を、生徒自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながらすすめていく学習活動と位置づけ、地元である『日進市の魅力と課題を考える』と題して、1年間にわたって全員で取組んできましたが、この度、各クラスにてその成果を披露する発表会を開催しました。

2年6組生徒による発表スライド

私たちの通う学校がある日進市は、通勤・通学に大変便利で、大都市名古屋や隣接する豊田のベッドタウンとして人気があり、都市と自然が調和する暮らしやすい環境にも恵まれ、住みよさランキングでは全国でも必ず上位にランキングされるなど、特に若い世代が多く暮らす生き生きとした元気な街です。けれども、一日の大半をここ日進市で過ごしているにもかかわらず、毎日があまりに当たり前過ぎ、その良さに気づかないことが多かったのが実情です。そこで、私たちは、「日進市」が持つ魅力を再発見すると同時に、その抱え持つ課題を考察することにより、身近な課題を周囲と力を合わせてともに解決する方法を探ることとしました。

2年2組生徒による発表スライド

授業では、将来地元(日進市、名古屋市、東郷町等を問わず)で活躍できる人材育成を目指しながら、地域が抱える様々な産業課題に対する解決方法を学ぶため、生徒たちはさまざまな問題に対して「問い」を立て、仮説を検証する方法を学んだり、また対話により最適解・納得解に向けて適切な方法を選択することを学びながら、将来、身の回りで課題解決が必要な様々なシーンに活用することで、今後社会がどんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現し、明るい未来をともに創る「未知の未来への対応力」を育みます。

2年5組生徒による発表スライド

さて、この度、本校2年生全員が1年間取組んできた成果を披露する発表会をクラスごとに開催いたしましたので、ここに優秀発表を紹介します!

『日進市の魅力と課題を考える』

2年1組 「日進市の安全な街づくり」

2年2組 「大学生が住みやすい地域にして人口を増やせないか」

2年3組 「自然を生かしたアスレチックを作って人を増やせないか」

2年4組 「人やお金が集まる地域に」

2年5組 「老若男女が暮らしやすい街へ」

2年6組 「日進市の土地自然を生かして住みやすい街にするには」

2年7組 「日進市×テクノロジー×SDGs」

2年8組 「日進市地下街計画~観光客で潤う日進市」

2年1組生徒による発表スライド

どれもが「なるほど!」と大変学びのある秀逸な発表の数々でしたが、例えば、2年1組の発表は、「日進市の安全な街づくり」と題して、子どもや高齢者などがもっと暮らしやすくするために、SDGsの1『住み続けられる街づくり』に絡めた「問い」に対する解決策として、「道路にライトを埋め込む」ことを挙げました。これにより、

・道が明るくなり、道幅がわかりやくなる。

・車道と歩道の境界線がはっきりする。

・歩行者の存在をはっきりさせる。

など、交通事故防止につながる提案をしながらも、「交通事故を防ぐためには、私たち一人ひとりが安全運転をしたり、危険を予知しながら歩行することが重要」だと、今からすぐ自分たちができることを合わせて発表を締めくくっていました。

2年3組生徒による発表スライド

また、2年3組の発表は、「自然を生かしたアスレチックを作って人を増やせないか」と題して、SDGsの15『陸の豊かさも守ろう』に絡めた「問い」に対する解決策として、日進市の持つ豊富な資源である『自然』を最大限に活かしながら環境を破壊せずに老若男女すべての世代が楽しめる「フィールドアスレチック」の設計を提案していました。多くの人を日進市に呼び込みながらも、訪れた人々の健康増進をも図れる新しい形の遊戯施設の提案にみんながうなずいていました。

2年4組生徒による発表スライド

さて、なぜ、今、生徒たちにとって「探究」的な学びが必要なのでしょうか?それは、未知の課題に対応するには、指示を待っているのでなく、自分で考え、行動することこそが必要だからです。

2年7組生徒による発表スライド

例えば、今回の新型コロナウィルスでも、様々な現場で初めての課題に向き合うことになりました。その中で大切だったのは、答えがないなりにも、自分で考え、自分で解決を目指す人々の存在です。周囲の誰にも答えがない中で、一人ひとりが必要な判断を迫られ、自分を、自分の大切な人を守り抜くことが求められました。

2年8組生徒による発表スライド

これからの時代は、終身雇用が崩壊したり、AIが台頭したり、デジタル化・グローバル化が進展したりと、社会は様々な変化を迎えます。また、その変化により、これまで「正解」とされていたものが180度変わってしまう可能性さえあります。そんな時だからこそ、自分なりに考えて、自分なりに問題を見出して、自分なりの答えを見出す、そんな経験を大切にさせたいと思います。